鏝絵

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名称

鏝絵(こてえ)

鏝絵(こてえ)1
高92×幅197×奥行55㎝
恵比須:径41㎝ 大黒:径41㎝

概要

鏝絵(こてえ)とは土蔵や家の壁に書かれた漆喰のレリーフのこと。 起源は古く、高松古墳、法隆寺の金堂の壁画や天平年間の立体塑にも見られる。 木で心柱を作り、その外側に荒土や白土にすさ糊を混ぜた材料で作るのが鏝絵の源流と言われている。 鏝絵で使用する材料は、「漆喰(しっくい)」と言われる焼石灰に粘土・海藻のり・すさ(麻の糸くず)を混ぜ合わせた建築資材(壁塗り材料)からなり、建物の戸袋や切り妻の下に作られることが多い。

鏝絵技法とは、彫刻と反対の技法で、削るのではなく、表現したい部分には肉付けして作品とする。道具は大小沢山の鏝(こて)を使用する。 左官職人は壁に表現したいものを描き、凹凸状に軟らかい漆喰を肉付けし、宙に浮かしたりするときは芯を入れて漆喰を肉付けしていく。

漆喰紅工は江戸時代から防火対策として幕府から奨励され、塗り籠め造りの建物が庶民に評価された。

鏝絵は全国で約3,000カ所に点在するが、そのうち完全な形で現存するものは少ない。 国の登録有形文化財に指定されている鏝絵(こてえ)のある蔵など歴史的な建造物が残る新潟県長岡市では、薬用酒製造「機那サフラン酒本舗」が有名である。

  • >>鏝絵(こてえ)3 | 鏝絵 「波兎」 年代・作者不詳 /波兎の波は、水をあらわす図柄である。兎は月の精で陰(水)をあらわすともいう。つまり、民家や蔵の火除けのまじない。また兎はいつも多産で安産なところから、安産のシンボル。つまり子孫繁栄を祈願する動物であるといわれている。

(掲載写真解説)

関連項目