提灯

提供: HIMOROGI文化財Wiki
移動先: 案内検索


概要[編集]

ろうそく用の灯火具の一つ。 一般的な提灯の構造は、割竹(ひご)を骨として螺旋(らせん)状に巻き、これに紙を張り、上に口輪、下に底輪をつけ、折り畳みできるようにした日本独特の灯火具である。
提灯は夜間での携行用のほか、屋外の照明・目印としても用いられた。形には球形、円筒形、棗(なつめ)形など多彩である。

 提灯には大小いろいろあるが、筥(はこ)提灯は、折り畳むと1個の箱になるようにつくらる。
小田原(おだわら)提灯は、相州(神奈川県)小田原の甚左衛門が始まりといわれ、円筒形の小形・軽便なもので、もっぱら旅行用とされた。
ぶら提灯は、棒の先端にぶら下げて持ち歩いた球形や棗形の粗末なもので、広く用いられたが、武士が馬乗りに用いた馬乗提灯はそれより上級な製品である。
赤・紅白など色彩を施した小形の酸漿(ほおずき)提灯もこの一種で、今日でも祭事・祝賀用の装飾や提灯行列などに用いられる。
弓張(ゆみはり)提灯には、球形と円筒形のものがあるが、いずれも竹弓の弾力を利用して火袋を上下に張って安定させたものである。初めは武士が使用したが、のちに火消し人足や御用聞きなど広く商家でも使用するようになった。
高張提灯は、棗形の大形の提灯で、長竿(ながざお)の先端につけ口輪と底輪を留めて張った。社寺や役所の門前、商家の店頭などに高く掲げて門灯とし、一種の目印としても利用された。
吊(つり)提灯は、ぶら提灯より大形で、社寺への献灯や祭礼の御神灯(ごしんとう)として用いた。

 現在、提灯の生産地としては、岐阜市と福岡県八女(やめ)市が名高い。


関連項目[編集]